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ステイホームを癒す 私の現実逃避術3

こんにちは。
ヒーラー・美容整体師・占星術師・女のしあわせ研究家、珠艶です。

新型コロナ終息までは、世界中の人が生活習慣を変えなければなりません…

集団行動や旅行は当分自粛。
人との距離を徹底し、最低限生活に必要な仕事や買い物、
メンテナンス以外は、とにかくステイホームが基本。

家に居ても疲弊しないためには、想像力を働かせて世界観を広げることが大切。
それが得意な人がいわゆる「ヲタク」ですよね。

私は子供の頃体が弱く、入退院を繰り返して学校にも行けなかった時期があり
その頃から自然とヲタク体質が身につきました。

こっそり父のレコードコレクションを物色し
クラシック音楽の世界に浸り、イメージで世界中を旅したものです。

大人になってからは随分と行動的になり、
実際の旅行や、劇場での鑑賞が趣味になりましたが
「家に居ろ」と言われたらそれはそれ。スイッチが入るとくるりと切り替わります。

今は有難いことに、バレエもオペラもコンサートも
充分映像で観ることが出来るので、本当に有難い時代です。

美しい芸術は心を癒してくれる。
そして、世界一流の芸術は人のチャクラをも整える力を持っています。

では今回も、バレエヲタクの私がお勧め作品とDVDをご紹介したいと思います。
因みに過去2回のブログはこちら

 

■  椿姫

19世紀フランスの作家デュマ(息子)の小説を、
20世紀の振付家ノンマイヤーがバレエ化した作品。
ショパンの美しくも切ないピアノ曲に乗せて、
パリの高級娼婦と、若く純粋な青年の悲しい恋物語が描かれています。

高級娼婦とは、貴族をパトロンに持つプロの愛人のこと。
昔ヨーロッパでは身分の低い女性が美しさとマナーを磨き、
愛人として貴族に召し抱えられていた時代があります。
(日本でいうと花魁や芸妓さんの存在に近いかもしれません)
「椿姫」とは、主人公のマルグリットが椿の花を印としていたことからつけられた名前。
真実の愛に生きることを願いながら、自己犠牲を払う主人公に世界中が涙した物語です。

【あらすじ】

(プロローグ)

舞台は病で亡くなった高級娼婦マルグリットの館で、
遺品が競売されるシーンから始まります。
アルマンの父デユヴァルが訪れ、彼女を自己犠牲に追いやった自責の念にかられます。
そこにマルグリットの恋人アルマンも駆け付け、悲しみのあまり倒れ込んでしまいます。
彼女の想い出が詰まった遺品に触れ、アルマンは愛し合った過去を回想するのです。

(第一幕)

パリの劇場の客席に、友人たちと観劇を楽しむ美しいマルグリットの姿が。
若いアルマンは、彼女が高級娼婦であることを知りながらも恋に落ちてしまいます。
舞台で上演されるのは「マノン・レスコー」。
騎士テ・グリューと駆け落ちした美しい娘マノンが、男たちの運命を狂わせて行く物語。
芝居が始まると、運命を暗示するかのようにマルグリットがマノンと、
アルマンがテ・グリューと重なります。

マルグリットはアルマンを友人たちと共に屋敷に招きます。
病に侵されているマルグリットは、急に気分が悪くなり自室へ。
鏡に映った自分の顔色の悪さに落ち込むマルグリット。
そこに心配したアルマンが駆けつけ彼女を気遣い、愛を告白します。
初めは相手にしなかったマルグリットもアルマンの情熱に心を動かされ、
自分の印である椿の花を渡すのです。

(第二幕)

その夏、マルグリットはパリを離れ田舎の別荘に移ります。
友人たちと共にアルマンの姿も。二人の関係は益々深くなっていきます。
しかしマルグリットのパトロン(公爵)が二人の関係に気付き激怒。
彼女はひるまず、アルマンを愛していることを告げ、
パトロンから与えてもらった宝石を捨ててしまいます。

公爵は去り、互いの愛を確かめ合うマルグリットとアルマン。
マルグリットは華やかだが愛のない過去を捨て、
一人の男を愛する女としての人生を望むのです。

しかしそこに悲劇が…。
関係を噂で知ったアルマンの父デユバルがマルグリットの元を訪ね
「息子と別れて欲しい」と要求。
「堅実なブルジョワ階級の我が家に貴女は相応しくない」と。
「私にはアルマンしかいない。それに病気でいつまで生きられるか。
せめて本当の愛に生きたい」と懇願しますが、デユバルは拒否。

マルグリットは、「マノンのようになってはいけない」と苦悩します。
そして若いアルマンの将来を思い、苦渋の想いで身を引くことを決意。
手紙を残し、一人パリへと戻るのです。

一方、何も知らないアルマンは手紙を読み激しく絶望。
別れが父によるものとは知らず、彼女の裏切りと勘違いしてしまいます。

(第三幕)

冬、パリでアルマンはマルグリットと再会します。
新たな愛人と共にいたマルグリットを見てアルマンは嫉妬にかられ
無理に好きでもない女性と付き合いますが、より空しさが募ります。

そんなアルマンにマルグリットも耐えられず、病を押してアルマンの元へ。
押さえきれなくなった二人は情熱のまま求め合ってしまいます(黒のパ・ド・ドゥ)

一夜を共にしたアルマンは寄りが戻せると思ってしまいますが、
舞踏会の場で、彼女にはそのつもりがないことを知り激怒。
「娼婦に代金を払ってやる!」とマルグリットを侮辱、
彼女はショックのあまり倒れ、アルマンは傷心の旅に出てしまうのです。

その後マルグリットは病が進行し、哀れにもやつれ果てて行きます。
残り少ない命の彼女は最後の力を振りしぼり、
別れた本当の理由と、アルマンへの真実の愛を日記につづるのです。
そして彼に二度と会うことなく、静かにこの世を去るのでした。

【見どころ】

クラシックバレエをベースに、ほのかにモダンの香りもあるノンマイヤーの振付。
第一幕のアルマンが愛を告白するシーンのパ・ド・ドゥ、
第三幕のドラマチックな黒のパ・ド・ドゥは特に有名なシーンでしょう。
黒のパ・ド・ドゥにはショパンのバラード第一番が使われています。
難易度の高いリフトなど踊りの技術も求められますが、
それを感じさせないほどの演技力と、繊細な感情表現が魅力のバレエです。

【おすすめ舞台映像】

パリオペラ座バレエ 「椿姫」 

パリオペラ座で絶大な人気を誇ったエトワール
アニエス・ルテステュのマルグリット、ステファン・ビュヨンのアルマン、
「これ以上の配役はない」と思えるくらい素晴らしい「椿姫」です。
また、現エトワールのドロテ・ジルベールが友人の高級娼婦を演じています。
達観した中にも愁いを帯びたアニエスの存在感と微笑み。
美しくも病に侵された高級娼婦の悲哀を見事に演じています。
それに対しビュヨンは、少年のあどけなさが残る年下の恋人を好演。
涙なしには見られない、胸が締め付けられるほど切ない椿姫。

この作品は動画でもご覧になれます!
Part1

https://youtu.be/NDiHHZV0Yp4

Part2

https://youtu.be/LjnsWnb78iM

 

私は個人的に「椿姫」と「マノン」はパリオペラ座バレエのものが一番好きです。
(元々椿姫はドイツのバレリーナ、アリシア・ハイデのために作られた作品なのですが)

この2作はパリが舞台ということもありますし
フランス人にしか表現できないフランス人を、リアルに演じているからかもしれません。

踊りの技術や崇高さを観るならボリショイやマリインスキーなどのロシアバレエ
作品としての演劇性を観るなら英国ロイヤルバレエ
雰囲気のある美しさを観たいならパリオペラ座バレエ

どの国のバレエも美しいのですが、それそれ美しさの質が違う。
どう感じるかは人それぞれと思いますが
見比べて楽しむのもバレエ鑑賞の醍醐味です。

ちなみに「マノン」を観るなら…

パリオペラ座バレエ 「マノン」

「椿姫」の中にも劇場の芝居として登場する「マノン・レスコー」。
18世紀、魔性の女性を主人公とする世界最初の小説として
センセーショナルを巻き起こした原作を元にバレエ化された作品。

この舞台は今やパリオペラ座バレエの芸術監督となった
エトワールにしてフランスの国民的スター、オーレリ・デユポンの引退公演。
恋人テ・グリューはイタリアが生んだ世界的ダンサー、ロベルト・ボッレ。
その他、ビュヨンが兄レスコーを演じるなどエトワールが総出演しています。

美しく生れ、兄の欲望によりただ一度贅沢を味わったがために
自分と恋人の人生を狂わせてしまったマノンを、美しいオーレリが見事に演じ切ります。

【マノンのあらすじ】

パリの街で神学生テ・グリューは美しいマノンと出逢い恋に落ちます。
しかしマノンの兄・レスコーは金と野心のため妹を
マノンの美貌に魅かれる貴族(ムッシュGM)の愛人にしようともくろみます。

一方マノンはテ・グリューと暮らし始めたものの、愛はあるが質素な暮らし。
テ・グリューの留守をふいうちしてやってきた兄とムッシュGMは
マノンに豪華なドレスや宝石を見せつけ、彼女を連れ去ってしまいます。

マノンを取り戻そうと必死になるテ・グリュー。
贅沢な暮らしに慣れてしまったマノンは迷い、
「カードでムッシュに勝ったらあなたと一緒に行く」と。
しかしイカサマがばれてしまい、逃げるマノンとテ・グリュー。
怒ったムッシュGMは兄レスコーを殺し、マノンは警察に捕まってしまいます。

罪人として船でアメリカに送られることになってしまったマノン。
テ・グリューも我が身を捨てて同行します。
しかし、マノンの美貌が看守の目に留まり、またしても愛人にされそうに。
怒ったテ・グリューは看守を刺してしまい、二人は逃亡。
疲れ果てたマノンは逃げ伸びた沼地で、
テ・グリューに抱かれながら息を引き取るのです。

一人の女性によって男の運命が次々狂うというすごいお話ですが、
マノン自身はいたって純粋、悪気はないのです。
そんな女性が男性にとっては一番魔性かもしれません。
うーん確かにいますね…年齢や美人かどうかは別として、最近の日本にも。

パリオペラ座バレエ「マノン」ベッドルームのシーン
https://youtu.be/KIlMullAk4U

また「椿姫」は、イタリアの作曲家ベルディのオペラ作品も大変有名。

世界的に人気の作品なので、様々な舞台のDVDが出ていますが、
初めて観る方にはこちらをお勧めしたいです。

オペラ映画 「椿姫」 (ラ・トラヴィアータ)

奇才フランコ・ゼフィレッリが監督をつとめたオペラ映画。
内容や曲にに関しては舞台で観るオペラと同じですが、
豪華なセットとロケにより更にリアリティのある作品となっています。
椿姫ヴィオレッタ(原作ではマルグリット)にソプラノのテレサ・ストラータス、
恋人アルフレート(原作ではアルマン)にテノールの大スター、プラシド・ドミンゴ。

オペラ版「椿姫」は、原作とは異なる脚色がされています。
(原作にはバレエの方が近いです)
最も違うのは、アルフレートが最後ヴィオレッタの元に戻って来ること。
ヴィオレッタは愛するアルフレートとその父に看取られながら生涯を終えます。

テレサ・ストラータスはオペラ歌手としてはスレンダーで、まさにはまり役。
病に侵されたヴィオレッタの迫真の演技に涙が溢れます。

そしてこの作品の魅力は、ゼフィレッリならではの絢爛豪華なセット。
19世紀フランス貴族の豪遊ぶりを見事に再現、衣装や髪型も時代考証されています。
また、「乾杯の唄」など、誰でも耳にしたことがある有名なアリアの数々も魅力。
オペラを初めて見る方にもぜひお勧めしたいDVDです。

オペラ映画「椿姫」ダイジェスト動画

<br>https://youtu.be/k-1mRjN7clY

 

まだまだご紹介したい作品はあるのですが、
連載は一旦この辺で。
続きはまた、折を見て書かせていただきたいと思います。

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珠艶の『 女のしあわせ研究室 』
ABOUT US
じゅえん
ヒーラー・占星術師・美容整体師、女のしあわせ研究家 珠艶(じゅえん)。 宮司の家系に生まれ、30代で整体師、40代でヒーラーとなる。 東日本大震災を期に、ヒーリングサロン「レボルシオン」を東京麻布十番から仙台に移転。羽黒山伏である夫と共に、クライアントを愛と光のある人生に導く。 長年に渡り「男女の愛」を研究、縁結びヒーリングを得意とし、全国から顧客が訪れる。 著書「女整体師が教える快感のスイッチ」他。